第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺。この事件は日本の授業でも必ず取り上げられ、史上最悪の出来事の一つとして世界中で知られている。しかし、戦後約50年間にもわたり隠蔽されていたホロコーストの記録が存在した。1度で最も多くの犠牲者を出したとされる事件「バビ・ヤール大虐殺」だ。 2022年9月24日、この事件が起こり81年が経ったその日に映画『バビ・ヤール』が日本で公開される。第74回カンヌ国際映画祭にてドキュメンタリー部門《ルイユ・ドール》審査員特別賞を受賞した本作の全編アーカイブ映像がこの歴史の悲惨さを描き出す。 現在、侵略を試みるロシア軍と交戦を続けているウクライナのある街で事件は起こった。1941年6月、独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻したナチス・ドイツ軍。ソ連の占領下に置かれていたウクライナはその大半がドイツに占領され、9月19日には首都キエフが占拠された。 9月24