どんなジャンルであれ、収集家というものに憧れる。ひきつけられる。 私には収集癖がなく、本やゲームや映画ソフトにしろ、パンの白いところだけをつまんで食べるようなライト感覚がある。フィギュアやおもちゃも持っていない。本や音楽ソフトは大量に買ってはいるけれど、引っ越しのたびに捨てるなり、売り払うなりしてしまうし、そもそも部屋のスペースにはいつだって限界がある。 集めて保存していてもなんの得があるのか、というつまらないドライさがある。本やCDとなればひょっとして何年かに一度、資料としてひっぱり出すこともあるかもしれない。しかし何年かに一度のためなら、もう捨ててしまって、必要なときに改めて買いなおしたほうがコスト的には正しいのではないか。プレミアがつくならともかく……。 という凡庸な考えが根づいてしまったため、「集める」「取っておく」という行為ができない。できないからこそコレクターを一目置かずにはい