レビュー 「災害大国」日本と防災の不備を思い知らされた2018年夏−その教訓を生かした「備え」を 2018.09.27 内城喜貴 / サイエンスポータル編集長、共同通信社客員論説委員 2018年の夏は平成の時代最後の夏でもあった。その夏に記録的な豪雨、強烈な台風、そして強い揺れに次々と襲われて多くの犠牲者、甚大な被害を出してしまった。全国各地で連日の猛暑に悩まされもした。この国が「災害大国」であることを改めて思い知らされ、防災の大切さを身に染みて感じる夏でもあった。 北海道を除いて沖縄から東北までが梅雨入りし、蒸し暑さが増していた6月18日朝に大阪北部で震度6弱の地震が発生した。人口が密集する都市の直下型地震だった。規模はマグニチュード(M)6.1で最大震度も過去の例では甚大な被害を出す強烈な揺れではなかったが、一部破損を含めると住宅被害は4万棟を超えて犠牲者も出た。家屋が密集する地域の弱