「日本はとても強いね。おめでとう」。ルステンブルクの競技場で行われた24日のデンマーク戦。1次リーグ突破がかかった試合を日本代表が2点リードで折り返し、後半が始まったばかりのころ、若い黒人男性が隣に座り、話しかけてきた。妙になれなれしい。その後も早口の英語で話しかけてきたがよく分からない。ジェスチャーでようやく、双眼鏡を貸してくれという意味が理解できた。 しつこいので、少しだけならということで貸した。彼は満足そうにしばらくのぞいていたが、試合が盛り上がり、一瞬目を離したすきに、彼が立ち去ろうとしているではないか。慌てて呼び止めると「ソーリー」と言って双眼鏡を返してくれた。これは、典型的な置引犯の手口である。 日本大使館によると、この試合で日本人が競技場内で置引被害に遭ったのは7件。過去2試合はカメルーン戦の2件しかなかったので最多になる。「競技場には勝利チームのサポーターを狙う窃盗団が