改憲の早期実現に向けた自民党の「山口県総決起大会」であいさつする安倍晋三元首相=山口市で2022年4月3日午後、東久保逸夫撮影 自民党の安倍晋三元首相が3日、山口市で講演し、憲法9条への自衛隊明記など憲法改正の早期実現を訴えた。改憲機運を高めるため党が全国で展開する活動の一環で、岸田文雄首相(党総裁)ら執行部は、夏の参院選をにらみ、保守層に訴求力の高い安倍氏を今後も改憲論議の「顔」に据える。だが、安倍氏が前面に立つことで逆に野党の反発が強まり、国会論議が停滞する可能性もある。 安倍氏は講演で「これまで国民は賛成にせよ、反対にせよ、一度も憲法への意思表明をする機会がなかった。本当におかしいと思う」と語り、「新しい時代に向けて、私たちの手で憲法を変えていく時を迎えている」と何度もこぶしを握り訴えた。会場に集まった1000人超の聴衆から拍手が湧いた。