【ビエンチャン=米川丈士】6日閉幕したアジア欧州会議(ASEM)首脳会議で、日本と中国が沖縄県の尖閣諸島をめぐって激しい応酬を繰り広げた。 野田首相は、尖閣諸島や島根県の竹島をめぐる中韓両国との対立を念頭に、「いかなる紛争や主義主張の違いも、国際法に従い平和的に克服すべきだ」と述べた。これに対し、中国の楊潔チ(よう・けつち)外相は「釣魚島(尖閣諸島の中国名)について、我が国は包括的に説明している。反ファシスト戦争の成果が否定されてはならない。戦後の世界秩序に挑戦すべきでない」と述べ、日本を厳しく批判した。 このため、首相は次の会合の冒頭で発言を求め、「尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いがなく、解決すべき領有権の問題はそもそも存在しない。我が国は戦後、一貫して平和国家の歩みを堅持してきた」と、「尖閣」の固有名詞を挙げて強く反論した。