いわゆる「日常系」というジャンルに『らき☆すた』も含めることができるだろうが、しかしながら、そこでひとつの作品ジャンルとされている「日常」とはいかなるものなのか、「日常」という言葉の内実とはどのようなものなのか、ということがひとつの問題となる。 アニメ『みなみけ』の前口上「この物語は、南家三姉妹の平凡な日常を淡々と描く物です。過度な期待はしないでください」は、この作品を一度でも見たことがある人ならば同意してもらえると思うが、極めて逆説的な自己規定である。そこでは、南家の「日常」が描かれているかも知れないが、それを「平凡」と呼ぶことは決してできないだろうし、そもそもそこで描かれている出来事が「日常」であるかどうかも疑わしい。 宮台真司は『終わりなき日常を生きろ』で『うる星やつら』を引き合いに出して「終わりなき日常」について語っていたが、これも逆説的である。つまり、『うる星やつら』では友引町の