(英エコノミスト誌 2013年10月19日号) 科学研究は世界を変えてきた。今度は科学自身が変わる必要がある。 科学を支えているのは、「信用せよ、だが検証せよ」というシンプルな考え方だ。研究結果は、常に実験による検証を受けなくてはならない。そのシンプルだが強力な考え方が、膨大な量の知識を生み出してきた。17世紀に登場してからというもの、現代科学はこの世界を見分けがつかないほど、しかも圧倒的に良い方向に変えてきた。 だが、成功は時に自己満足を生む。現代の科学者は、過剰に信用しすぎる一方で、検証作業は十分に行わない。それが科学全体に、そして人類全体に損失をもたらしている。 今の学術界は、いいかげんな実験やお粗末な分析を基にした研究結果があまりにも多く氾濫している。バイオテクノロジー関連のベンチャーキャピタリストの間には、「公表された研究の半分は再現不可能」という経験則がある。それさえも楽観的か