生活保護の申請をはねつける厳しい審査が、増えているという。背景には、増え続ける受給者数と生活保護予算がある。今年3月時点の保護受給者数は217万人。世帯数も160万世帯を超え、ともに過去最多だ。生活保護費も年々増え続け、2014年度予算では国と地方を合わせて約3.8兆円に達し、国家財政を圧迫している。 危機感を持った政府は昨年12月、改正生活保護法を成立させた(今年7月から施行)。これまで申請者は収入などを口頭で伝えるだけでもよかったが、今後は「無収入申告書」などの提出を求められるなど、審査の厳格化が打ち出された。 そうした流れの中で、予算を削りたい役所と増え続ける申請者のやりとりは以前にも増して壮絶なものになっている。生活保護の相談に乗る弁護士などによると、窓口では「払え」「払わない」の激しい攻防戦が行なわれている。 北関東に住む34歳の田所信也さん(仮名)は、16年間勤めた事務機器メー
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