パブロ・ピカソといえば、20世紀を代表する偉大な芸術家のひとりだ。ピカソはスペインで生まれ、フランスを拠点にキュビスムの創始者として精力的に創作活動を続け、91歳で亡くなるまで、およそ5万点の作品(1885点の絵画、1228点の彫刻、2880点の陶器や約1万2000点あまりの線描など)を制作したとされ、多作なアーティストとして『ギネスブック』にも認定されている。 ■ピカソが描いた自画像の変遷がすさまじい だが、そんな巨匠の足跡を改めてたどると、ピカソが描いた自画像の変遷がかなり特異なことに気づかされる。15歳から90歳までの75年間で、本当に同一人物が描いたものなのかと疑いたくなるほど変化に富んでいるのだ。 それこそ、どこかの育ちのいいお坊ちゃんが「絵でも描いてみようか」と筆を取った風から、だんだん“自意識過剰の認識不足”に陥り、最晩年は素人目にはハンパない壊れっぷりとさえ映る。