「あの案件が終わると多くの技術者が戻ってくるが、あてがう仕事が無い」。大手ITベンダーの幹部が思わずつぶやいた言葉を思い出した。あの案件とは、みずほ銀行の勘定系システムの統合プロジェクトのことだ。 みずほ銀行の次期勘定系システムは2017年7月末に完成したとのこと。今後は利用部門によるテストや切り替え手順の確認、システムの切り替えリハーサルなどを順次実施し、2018年秋にも切り替えを始めるという。既に山を越えたわけで、IT業界を挙げて大量に動員された技術者の多くが、プロジェクトを離れつつあるはずだ。 IT業界では技術者不足が続いているから、「あてがう仕事が無い」といっても開発案件が不足しているわけではない。プロジェクトがあまりに巨大で特殊なため、参画した技術者の経験値を生かす場が少ないという意味だ。 ピーク時には7000~8000人規模の技術者が動員された。プロジェクト開始から5年間にわた
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