「オープンなクラウド」か「プロプライエタリーなクラウド」か。ユーザー企業は今、その選択に迫られている。ITベンダーの顧客囲み込み戦略を信頼して協業の道に進むのか、ユーザー自らの力で複数ITベンダーのサービスを選択し、組み合わせて利用する道を進むのか、選ばなければならない。どちらが最善な策かはユーザーの置かれた立場とIT部門の能力で異なるが、選択を誤れば無駄な投資になりかねない。 大手ITベンダーは当初、クラウドサービスに慎重な姿勢を見せていた。自社製ハードやソフトの販売に大きな影響を及ぼす恐れがあるからだ。しかし、ユーザーはコスト削減の有効手段として「IT資源の所有から利用へ」という変化に期待をかけた。 クラウドサービスは「3カ月ごとに売り上げ倍増」 そこでITベンダーは2010年初めにユーザー企業にIT資源を所有させる新種のクラウドに力を入れた。プライベートクラウドだ。米国立標準技術研究