兄弟間の相続トラブルなどで製造が中止されていた京都の老舗かばんブランド「一澤帆布(いちざわはんぷ)」が6日、2年ぶりに再スタートした。裁判で勝訴した先代の三男一澤信三郎さん(62)が、京都市東山区の創業の地で、リュックなど8種類の同ブランド製品を復活させた。 一澤帆布は、厚手の布を使ったシンプルなデザインが人気で、1905年の創業。先代会長だった父親が死去した後、信三郎さんは05年、一澤帆布工業社長を解任され、長男と四男が代表取締役に就いた。09年、解任を取り消した判決が最高裁で確定して社長に復帰したが、一澤帆布ブランドはいったん閉じていた。 信三郎さんは、06年に立ち上げた独自ブランド「信三郎帆布」も継続する。店に買い物に来た大阪府吹田市の契約社員の男性(43)は「伝統が復活してうれしい。長く使い続けたい」と話した。 一方、四男は昨年から別の店「帆布カバンき一澤(きいちざわ、「き」