■キングスマン (監督:マシュー・ヴォーン 2015年イギリス映画) どの国にもその国なりの狂気の在り方があると思うが、こと映像媒体で観るならやはりアメリカとイギリスの狂気の在り方は抜きん出ていて目を見張らせるものがある。そしてこの両者を比べるなら、アメリカはエクストリームな狂気、対してイギリスはシニシズムな狂気ということができるだろう。もう少し判り易く言うならアメリカは肉体派のキチガイであり、イギリスは頭脳派のキチガイであるということである。そしてそれぞれの狂気の根っこにあるのは、アメリカなら未熟で新しい国の【野蛮さ】に根ざしたものであり、イギリスなら近世から近代にかけて歴史の上で散々行ってきた残虐を極める蛮行の末の【こじらせまくった結果】であるんじゃないかとオレなんかは思う。 『キングスマン』はコミック原作のスパイ・アクション映画である。「キングスマン」なるイギリスの秘密諜報部があって