絶滅が危ぶまれる海の生物をまとめた国の「海洋生物レッドリスト」をめぐり、信頼性に疑問があるとして環境NGOが改善を求めている。国際的な判定基準では「絶滅危惧種」なのに、国の判断で外された種があるからだ。 動物や植物など地球上の生き物は、乱獲や生態系の破壊などにより数が減り、最悪の場合には絶滅する恐れもある。絶滅の恐れがどれぐらいあるのかを専門家が種ごとに科学的に評価し、危険度を「絶滅」「絶滅危惧」「情報不足」などのカテゴリーに分類したものが「レッドリスト」だ。国際自然保護連合(IUCN、本部・スイス)が1960年代に初めて作った。 日本も陸の生き物については91年以降にレッドリストを作り、自然保護に活用している。海にすむ生き物は情報が少なく作成が遅れていたが、今年3月に環境省と水産庁が「海洋生物レッドリスト」を発表した。約1万種を評価し、サンゴの仲間オガサワラサンゴ1種を「絶滅」としたほか