単なる「人為ミス」で片付けない、JAXAの危機意識 2016年6月15日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の奥村直樹理事長は定例記者会見で、X線天文衛星「ひとみ」の喪失事故について陳謝し、理事長、副理事長、宇宙科学研究所(ISAS)所長の3名の厳重注意と給与の一部自主返納を発表した。 チャレンジと失敗がつきものの科学研究で、失敗を理由に関係者が処分されることは極めて異例だ。しかし筆者は、これは今回の「ひとみ」喪失事故の本質を的確に表していると考える。というのも、処分対象は管理責任者であるJAXA役員であって、「ひとみ」開発チームではないからだ。 調査報告書を読んでも、科学的な研究の失敗を問題視するような点は見受けられない。むしろ宇宙開発に限らず「仕事の進め方」において陥りがちな、様々な問題点が赤裸々に書き出されている。このため、個々の研究者の「人為ミス」として片付けるのではなく、組織全体の
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