ファッションの世界でこの10年間で最も大きな動きは何だったのだろうかと考えてみると、様々なことが頭に浮かんでくる。まず「フェミ男君」に代表されるようなメンズファッションの大変貌が上げられる。ウーマンパワー(死語に近い)が吹き荒れて、女性の社会進出の本格化が日本ですら見られたこの10年だが、男たちが弱々しくなった分、男のファッションが大進化を遂げた。特に日本では渋谷のチーマーたち、「裏原」(原宿の路地)に生棲するストリート小僧たちがファッションを引っ張った。さらにこの10年では「ルイ・ヴィトン」や「グッチ」、「プラダ」に代表されるようなヨーロッパのバッグをメインにしたラグジュアリーブランド(この言葉も一般化したのはこの10年だ)が大衆化した。「ルイ・ヴィトン」のバッグをケサ掛けして、「リーバイス」のジーンズに「GAP」などのTシャツというスタイルが横行した。 しかしファッションビジネスの世界