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ブックマーク / user.keio.ac.jp/~rhotta (7)

  • #2387. 日本語の文字史(近代編)

    昨日の記事に引き続き,佐藤編著の第4章「近代の文字」 (pp. 63--83) に依拠して近代編をまとめる. 古代,漢字の担い手は一部の教養層に限られていたが,近代になるにつれ,富裕な町人層へ,そして教育を通じて一般に国民へと開かれていった.とはいえ,漢字という難解な文字体系が社会へ広く浸透するには困難を伴ったはずであり,仮名の読み書きに比べて浸透が相対的に遅れたことは確かだろう.漢字の拡がりには,活字による出版という新メディアの登場が一役買ったことは間違いない.室町末期から「古活字版」が盛んに行なわれ,その後,振り仮名も付した「製版」を通じて,人々が漢字を含む文字に触れる機会は増した.なお,実用的な漢字の書体は草書や行書であり,規範的な表記から逸脱した当て字も通行したことを付け加えておこう. 明治時代になると,漢字の使用制限の機運が高まった.前島密は慶応2年 (1867) に「漢字御廃止

    tweakk
    tweakk 2023/03/05
    “濁点(濁音符)は古代の漢字訓読に母型が見られるが,陀羅尼を正確に発音させるために漢字,そして片仮名に付された符号から発達したものといわれる.…明治以降も…文脈で判断される場合にもしばしば省略された”
  • #437. いかにして古音を推定するか

    授業などで グリムの法則 ( Grimm's Law ) や 大母音推移 ( Great Vowel Shift ) などの音声変化を解説すると,素朴な疑問が出る.どうして録音機器もない時代の音声や音声変化のことが分かるのか.なぜ古英語の発音がこれこれであり,中英語の発音があれこれであったと確信をもって言えるのか. 言語変化には音声変化が引き金となっているものが多く,その解明は過去の音韻体系を正しく推定できるかどうかにかかっている.したがって,古音推定は歴史言語学にとってたいへん重要な問題である.しかし,その推定作業は簡単ではない.周辺的な証拠をジグソーパズルのように組み合わせて推論し,徐々に明らかにしてゆくという detective work である.では,周辺的な証拠や推論にはどのような種類のものがあるのだろうか.Brinton and Arnovick (64) から6点を引用する.

  • hellog Entry Set

  • hellog Entry Set

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  • #4122. 物凄いツールが現われた --- OED Text Visualizer (beta)

    前 次 hellog英語史ブログ #4122. 物凄いツールが現われた --- OED Text Visualizer (beta)[web_service][oed][etymology] OED が OED Text Visualizer という物凄いツールを作っている.入力欄に英文テキストを放り投げると,OED の情報に基づいて背後で各単語にタグが付され,初出年代と語源をタイムラインで視覚的に表現してくれるというものだ.いつかこのようなツールが作れたら(あるいは誰かが作ってくれたら)いいなと私が夢見ていたような語源表示ツールである.これまでも技術的には十分に可能だったろうが,格的に取り組む者が現われなかった.それを OED が実装してくれたというのは,さすがである.開発中のベータ版ということで,入力する英文は500語まで,また1750年以後の英文でないと精度が下がるなどの制限はあ

  • #1520. なぜ受動態の「態」が '''voice''' なのか

    英語で受動態を "passive voice",能動態を "active voice" と呼ぶが,なぜ「態」が "voice" と対応するのだろうか.この文法範疇は主語や目的語などの文の要素が動詞の表わす動作とどのように関わるかを表わすものであり,いわば動作の姿や有様(=態)を標示する機能をもっている.このように日語の「態」という用語はかろうじて理解されるかもしれないが,なぜ英語では "voice" と表現されるのかは謎である.そこで,調べてみることにした. まずは,OED から.voice, n. の語義13によると,文法用語としての "voice" の初例は15世紀前半である(大陸の文献では初出が16世紀なので,英語での使用のほうが早いことになる).最初期の用例を2つ挙げよう. c1425 in C. R. Bland Teaching Gram. in Late Medieval

  • #3676. 英語コーパスの使い方

    たいそうな題名の記事ですが,これまでにコーパス利用について書いてきたブログ記事その他へのリンク集にすぎません. まず英語学でコーパスを利用しようと思ったら,様々な参考図書があるものの,まずは研究社のウェブサイトより「リレー連載 実践で学ぶ コーパス活用術」の連載記事(全37)に目を通すのがよいと思います.筆者の堀田も影は薄いですが寄稿しています (cf. 「#2186. 研究社Webマガジンの記事「コーパスで探る英語の英米差 ―― 基礎編 ――」」 ([2015-04-22-1]) と「#2216. 研究社Webマガジンの記事「コーパスで探る英語の英米差 ―― 実践編」 ([2015-05-22-1])). ブログからは corpus の各記事をご覧いただきたいのですが,その中から特に重要な記事を選んでおきます. ・ 「#568. コーパスの定義と英語コーパス入門」 ([2010-11

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