地理的文化的障壁 インドから中国に仏教が伝わるときに二つのおおきな障壁がある。 その一つは地理的な障壁で、インドと中国の間にはヒマラヤ山脈とチベット高原という大きな山脈と、容易に踏破できない距離がある。シルクロードを経由しても、カラコルム山脈やタクラマカン砂漠、ゴビ砂漠が障壁となる。 もう一つは文化的な障壁である。両地域は太古から高度な文明が栄えた先進地域であり、独自の思想や文化が発展していた。特に中国は中華思想というプライドを持っていた。東夷、西戎、南蛮、北狄などと周辺諸国をよんだ国である。 そんな中国に他国の宗教であり思想である仏教が伝来し受容されたことは、仏教の普遍性と素晴らしさの証左であるだけでなく、奇跡的なことではないだろうか。 仏法東漸 ともかく、仏教が中国に伝来したのは西暦紀元前後である。 伝播した経路は、ガンダーラ(現在のパキスタンやアフガニスタン)からカラコルム山脈を越え