ファースト・アルバム「津軽から来たあいつ」の大ヒットに続き、初めて書き下ろした映画音楽も大好評の著作ケンゾウ君。レコード業界の不況を尻目に快進撃を続けるケンゾウ君のもとに、またもや新たなオファーが来た。今度は、新しいゲームソフトの主題歌とBGMを書き下ろしてほしいというものである。いつかはゲーム音楽を手がけてみたいと思っていたケンゾウ君にとって、これは願ってもないオファーである。 ご存じのとおり、日本は世界に誇るゲーム王国である。日本のゲームとマンガ、アニメーションが世界一高い水準をもったエンターテインメント産業であるのは、異論のないところだろう。しかし、産業構造上の事情からか、ゲーム産業と音楽産業は十分なシナジー効果が得られていないように思われる。今回は、ゲーム音楽の著作権とその権利処理の実務について詳しく解説しよう。 まず、ゲーム音楽の歴史について簡単に説明しよう。ファミコン(1983