それぞれを大まかに比較した場合、AMOLEDは「画質とフレキシブル化」に優れ、TFT LCDは「大画面化と実用性」に優れていると見ることができる。この「画質とフレキシブル化」に注目し、AMOLEDを「高級感とデザイン性」で差別化してスマートフォンに搭載し成功したのがSamsung Electronicsグループである。 画面サイズが限られ、3~4年で買い替えられるため耐久性の難が出にくく、キャリアとの契約で実質的な割賦販売によるコストの吸収が可能なことによりAMOLEDの弱点を吸収し、かつセットとディスプレイの垂直統合によって、スマートフォンの販売で上がった利益をAMOLEDへの積極投資し、能力増強とコストダウンを並行して進めることが可能となった。結果として2016年のSamsungのスマートフォン用AMOLEDの出荷数量シェアは98.5%と圧倒的な独占状態にある(IHS Markit調べ