兄の葬儀が終わった。 私の兄は昭和29年8月生まれで、今年で60歳。還暦を迎えたばかりだった。 父は二十年前に、そして母は昨年他界した。 兄弟は兄と私の二人。そして兄がこの世を去り、後に残ったのは私一人になってしまった。 私の兄は、月刊アウトの編集者だった頃に「R2」の名前で、記事を書いていた。 立命館大学のSF研究会に所属し、その後月刊アウトの編集者となったのも、高校時代のSF仲間だった「C」さんがみのり書房にいた縁だった。 ガンダムが世に出て、アニメとSFが商売として大きく開花していくその創成期に、兄と私は立ち会っていた。 みのり書房退社後、普通の会社員として勤めながら、ニフティフォーラムの方で「花筏」のハンドルネームで、色々やっていたようだが、その頃のことは、私は良く知らない。 その後、私が小説を書き始めた頃に、共に小説を書き始め、私は電撃大賞に応募し、兄は学研の歴史群像小説賞に応募