アナログが静かなブームです。ターンテーブルのゆっくりとした回転を眺めながら、静かにレコードに針を落とす……古いファンにとっては何気ないしぐさも、ふだん圧縮オーディオに親しんでいる若い世代には新鮮に映るのではないでしょうか。古くて新しいアナログレコードの魅力に、あなたも是非触れてみませんか? というわけで、今回からはアナログ再生のお話です。 ■アナログレコードってどうして音が出るの? まずアナログレコードとはどういうものか、その仕組みからみていきましょう。 レコードは、今流に言えば記録メディアですね。音楽を記録するのはすべてアナログ信号で行われていて、音楽信号のどんな複雑な波形もそのままディスクの音溝に刻んでいきます。 ちょっと盤面を見てみませんか。ウーム、黒いビニール盤に細い溝が渦巻きのように並んでいるなあ。針が進むために渦巻上のトラックを形成するわけですが、肉眼でも細かく変化している様子