2018年9月、米ニューヨークで「World Umami Forum(ワールドうま味フォーラム)」を開催し、世界に向けてうま味発見110年を発信した味の素。うま味で世界の食をリードしてきたが、うま味にまつわる課題も発生。その課題にどう取り組んできたのか、西井孝明社長に聞いた。(前回の記事は、「スマートクッキングはうま味のなせる技 味の素社長」) ――18年9月、うま味発見110年を記念する「ワールドうま味フォーラム」の開催は、米国ニューヨークでした。 うま味は、米国の近代的な食事スタイルの形成に大きく貢献してきたのですが、同時に大きな課題も突き付けられていました。その解決のために、まずは米国で実施する必要があったのです。それは、68年に端を発した中華料理店症候群(チャイニーズレストランシンドローム)です。当時、中華料理店で食事をした人が健康被害を訴え、それを調査した科学者が、原因は料理に使