タグ

増田と増田文学に関するtyosuke2011のブックマーク (29)

  • 蝉の声

    僕が地球に不時着したのは32年前で、故郷の星に戻ることを諦め今の結婚してから4年になる。 結婚を機にウォーターサーバーの営業の職に就き、契約先のオフィスを巡って重たい水のボトルを運ぶ日々を送っている。 ーー 数年に一度くらいのことなのだけれど、街角で僕以外の宇宙人を見かけることがある。 地球人にはまったく気づかれないと思うが、やはり宇宙人同士だと一目でそれとわかるものだ。 苦笑いを浮かべて会釈を交わすこともあれば、こっちに気づいた瞬間に走って逃げられることもある。 お互いにいろんな事情があってこの星に迷い込み、生きることを決めたのだろう。 ーー 地球人は安全極まりない生き物だけれど、得体の知れない異星人には捕される危険性がある。 だから宇宙人同士で会話することはないし、会話したとしても必要最小限の二、三言で、以後はできる限り互いが会わないように注意して行動するようになる。 なので今日

    蝉の声
  • 旅が終わる気がする

    私の故郷はとても寒い場所にあって、そこで大人になるまで暮らしていました。 事情があって町を出てから初めて、あぁ、私はここから当に離れたかったのだなと気がつきました。 一人暮らしを始めた日は大雨警報が出ていて、ラジオからは空港で足止めになった人がインタビューを受ける声が聞こえました。 これから暮らす知らない街は嫌がらせのように道が入り組んでいて、番地の順番はひどく不規則でした。土砂降りの中、散々迷ってほうほうのていでアパートに辿り着いたとき、私は全身ずぶ濡れで、まるで服のままシャワーを浴びたかのようでした。 電気がまだ通っていなかったので部屋の中は真っ暗でした。ドアを開けると、安くて古い家特有の匂いがして、一歩進むごとに床がぎしぎし鳴りました。アパートの廊下の灯りに照らされて、自分だけの部屋に一人佇む私のシルエットが浮かぶのが見えました。 それを見た瞬間、お腹の底からわーっと力強いエネルギ

    旅が終わる気がする
  • ほぼ叔父に育てられた

    父親はモラハラで母に興味が無く気まぐれに私を殴り 母親はアル中で不倫中毒で家事一切しない 共働きで父母どちらも炊事洗濯掃除全くしない そんな家庭で育った 乳幼児の頃から当に叔父に助けられて育った 叔父は母の年離れた弟で叔父が大学生の時に私が生まれた 私が生まれたばかりの頃から母の子育てを危ぶんだ叔父は私の世話をかって出た(らしい) それから小学校に入学するまで母の実家で祖父母と叔父と暮らしていた 高齢者のパート賃金と大学生だった叔父のバイト代、叔父が就職したら新卒の給料が頼りだったので裕福とは言えない暮らしだったが穏やかだった 小学校入学とともに父母に引き取られた 地獄だった 叔父は土日に遊びに連れ出してくれたり母の実家にお泊まりさせてくれたりした 母はなぜか実家にあまり来ないので叔父と祖父母といられて懐かしいごはんがべられて嬉しかった 10代になると自分の家庭が明らかにおかしいことが

    ほぼ叔父に育てられた
  • クソデカ羅生門

    ある日の超暮方(ほぼ夜)の事である。一人の下人が、クソデカい羅生門の完全な真下で雨やみを気持ち悪いほどずっと待ちまくっていた。 馬鹿みたいに広い門の真下には、この大男のほかに全然誰もいない。ただ、所々丹塗のびっくりするくらい剥げた、信じられないほど大きな円柱に、象くらいある蟋蟀が一匹とまっている。クソデカ羅生門が、大河のように広い朱雀大路にある以上は、この狂った男のほかにも、激・雨やみをする巨大市女笠や爆裂揉烏帽子が、もう二三百人はありそうなものである。それが、この珍妙男のほかには全然誰もマジで全くいない。 何故かと云うと、この二三千年、京都には、超巨大地震とか破壊的辻風とか最強大火事とか極限饑饉とか云うエグすぎる災が毎日つづいて起こった。そこでクソ広い洛中のさびれ方はマジでもう一通りとかそういうレベルではない。旧記によると、クソデカい仏像や文化財クラスの仏具をものすごいパワーで打砕いて、

    クソデカ羅生門
    tyosuke2011
    tyosuke2011 2020/06/12
    文才ある
  • 緊急事態宣言が解除になって初めての出社でクッソダルいと思いながら自席..

    緊急事態宣言が解除になって初めての出社でクッソダルいと思いながら自席でブクマと増田を1時間くらい眺めて書き込んでから席を立ってトイレに行こうとしたら溝口さんが久しぶりにいて、在宅勤務中どうしてたんすかと聞いたら、聞いてくださいよ、ヨガと筋トレで腹筋がバッキバキに割れてシックスパックになったんですよーというので、え当ですかじゃあちょっと見せてくださいよと言ったら、えーそれセクハラですよーと言いながら笑って、いやお前がその話題振ってきたんだろうがと思うが、最近外全然行ってないですねーという話に移ったので、じゃあ久しぶりにどっかべに行きますかと言ったら、いーですねーと意外にあっさりとOKしてくれたので、何がいいすかと聞くと、なんでもいーですと言う、いやそういうのが一番困るんだろうが決めろやと思いながらもちろん言わず、じゃあオメガラーメンとかでもいいんすかと言ったら、あーたまにはいーですねー

    緊急事態宣言が解除になって初めての出社でクッソダルいと思いながら自席..
  • 在宅勤務が始まり、いまが人生で1番幸せな春

    零細企業の社員。昼は公園で弁当派。 職場を転々としているから春は毎年違う公園で桜を見る。 去年は池袋で桜を眺め、来年の自分はどこにいるか考えながら、ぼんやり米をほうばっていた。 それがまさか在宅勤務になって、マンションの桜を見ながら弁当をべてるとは思わなかった。 マンションの桜はいつも子供が遊んでいる広場に咲いていてやや近寄り難く、いつも気がついたら散っている存在だった。 在宅勤務の昼休憩は12時からと決まっている。チャットで休憩に入りますと伝えるのもルール。 いつもの弁当箱じゃなくて、洗いやすいタッパーに米と昨日の残りの春巻きと卵焼きだけつめて階段を降りると、マンションの広場にはそこそこ人がいた。みんなそれなりの距離を保っている。 同年代の夫婦はシートを敷いてお弁当を広げ、老夫婦はベンチに座ってパンをべて、子供と母親はサッカーをしていた。 のどかだった。牧歌的という言葉が頭をよぎっ

    在宅勤務が始まり、いまが人生で1番幸せな春
    tyosuke2011
    tyosuke2011 2020/04/10
    いい話だな~
  • 後世に残したい美しい言葉 5選

    ①孫衛星衛星の周りを回る衛星のことを孫衛星という。 しかしこのような天体は天然には発見されていない。 実物はないのに未来に発見される可能性のために名前だけが付いている。 言葉の影響力は今この世界のみに及ぶのではないことを教えてくれる。 ②トリプルA面メイン曲が3曲入っているシングルCDのこと。 A面B面とはレコードからの名残である。メイン曲をA面、カップリング曲をB面と呼び、両方の曲がメインとなる場合は両A面とかダブルA面という。 そこまでは良いのだが、トリプルとなると元のレコードのイメージは完全に崩壊する(レコードに面は3つもない)。 つまり元はレコード由来の概念だったものをCDに拡張した際、面という言葉が意味を失い、抽象世界上の産物になったが故に成立した言葉なのだ。 言葉は実世界から発生するが、必ず手の届かない抽象世界へと逃げていくことを教えてくれる。 ③幽霊文字JIS規格に紛れ込んで

    後世に残したい美しい言葉 5選
  • 自然派の友人のアソコ

    その友人とは大学時代に出会って、社会人になった今でも2人で月1程度飯をべる仲だ。 友人は自称「自然派」で、健康に色々気を使っている。私は自然派の定義をよく知らないが、彼女の話を聞く限りでは ・マーガリンやショートニングが使われたお菓子はべない ・ペットボトルの飲料は飲まない ・ラップは使わない ・電子レンジは使わない ・ビワの葉はめっちゃ健康に良い。ガンも治す ・どっかの国産(忘れたたぶんアメリカ)の小麦粉やサラダ油は危い。(遺伝子組み換え) とか色々気を使っている人のことなのかと思っている。 私は彼女の前でペットボトルの水も飲むし、お菓子もバリバリべるが、彼女は何も言ってこない。 お互い考えに違いはあれど、干渉したりはしない。だから今まで付き合いが続いていた。 それなのに。それなのに。 この前彼女と温泉旅行に行くことになった。彼女と泊まりがけで出かけるのは初めてだった。 飯も上手く

    自然派の友人のアソコ
  • 増田文学100選

    通勤通学のお供に ランクタイトルブクマ数日付カテゴリ1人生に物語は要らない21262017/12/27 00:40暮らし2自走式彼女20172017/09/07 16:42暮らし3日曜日に20002017/06/28 16:27暮らし4なんか結婚できた19092017/08/30 10:34暮らし5議事録を作る仕事をしていました17202016/08/07 15:32政治と経済6テトリス15962017/05/24 09:52暮らし7副業で風俗レポを連載していたのだが、15502017/10/23 19:13暮らし8Yahoo!チャットって場所があったんだよ15022015/06/25 14:01おもしろ935年勉めて幹部もやった会社を辞めることになったので、愚痴る。15002016/01/18 00:41アニメとゲーム10Iさんについて14962017/09/14 16:44暮らし11美

    増田文学100選
  • 人生に物語は要らない

    先日ホッテントリに上がっていた単著持ち増田のエントリを読んで、そういえば自分も増田が原因でを書いたんだったと思い出した。 数年前、初めて増田に文章を投稿したら2000ブクマ付いた。「文才がある」「物書きとしてっていける」とか言われたので、24万字の文章を書いてKindleで出版した。ぜんぜん売れなかった。人の言うことを安易に信じてはいけないと思った。 そのあとまたホームレスになったので(2年ぶり3回目)しばらく福島で除染作業員として働いた。除染と言うと何か特別なことをしているように聞こえるけど、実はただの土木工事である。肉体労働は久しぶりだったけど、小難しいことを考えず黙々と目の前の作業に打ち込んでいると、頭の中の不純物が取り除かれていく感じがした。 そうだ、僕は物書きになりたいなんて思っていたわけじゃない。そんなものは誰かから押し付けられた「物語」でしかない。いままでも「元ホームレス

    人生に物語は要らない
  • 好きな増田 2017

    気づいたらあと2週間しかないので、過去の人気エントリーからこれよかったなぁと思った増田をいくつか おかん、おとんへ anond:20171113003812 空港が好き anond:20171107141129 イケメンの姉 anond:20170919192414 Iさんについて anond:20170914163351 自走式彼女 anond:20170907163356 めちゃくちゃ好みの女を見かけた anond:20170907125325 なんか結婚できた anond:20170830102558 家族の思い出 anond:20170730195616 30才になってしまった anond:20170727105350 人生の助走期間とanond:20170725215558 妹と私 anond:20170714192319 日曜日に anond:20170628153705

    好きな増田 2017
  • 約束のオナニー

    「やだい!手術なんか受けないんだい!」 独特の消毒臭に混じって大きな金切り声が白い廊下に響いた。ここが病院であることを忘れるほどの元気な声、わたしは深くため息をついた。8歳になる我が息子は生まれつきの難病を抱えている。治療法もなく、担当医曰く10歳まで生きられれば奇跡らしい。それ以上延命できた例がないそうだ。助かる助からない以前の問題だ。 「病気なんだから治さないとダメよ、お外で遊べなくなるんだから」 手術をしてもいくばくかの延命にしかならない。儚い命をいくらか繋ぎ止めるだけの手術。それだけのために息子の体にメスを入れ痛みを与えることになる。心ではそんなことしないで欲しい、そう思ったが少しでも長生きして欲しいという思いもあった。 少しでもこの子の笑顔を見ていたい。元気に叫ぶ姿を見ていたい。できることなら外を走り回る姿だって見たい、そう思った。もう、手術をしてもらうことしか選択肢はなかった

    約束のオナニー
  • ネカマをやっていた頃

    俺はこれまでの人生で半年だけ無職だった時期がある。ネカマをやっていたのはその頃のことだ。26才だった。小人閑居して不善をなす。まったくその通りだと思う。つまらない人間に暇を与えるとろくなことをしない。 きっかけは2ちゃんだった。当時、俺は2ちゃんに入り浸っていた。ある日、表現規制について議論になった。その時に誰かが俺に言った。 「だから女はダメなんだ」 面らった。俺を女だと決めつける奴が現れたのだ。その時はネカマだったわけではない。向こうが勝手に勘違いしたのだ。俺はなんとなく楽しくなり、そのまま女として振る舞った。すると誰もがそういう前提で話しかけてきた。議論そのものよりそっちが楽しくなった。 それから俺はネカマに目覚めた。しばらくは2ちゃんが主戦場だったが、やがて色々な場所に書き込むようになった。ツイッター、チャットルーム、増田。ネカマをやっていていちばん驚いたのは、なんと言っても

    ネカマをやっていた頃
  • はぁぁんッ♡だっ、ダメですよぉぉ〜っ… っこ、こんな人前でぇっ!

    増田なんか見ちゃ…ぁ 何考えてるんですかぁ… そ、その…、赦されると思ってるんですか、こ、こんなトコロで… !!! ひっ!ひにぁぁっッ♡ 駄目だめっ♡ そんな急に書き込まないでっ! はぁん♡ もぉ、ちゃんと、読んだんですかあ!? えっ えっ!? はぁああンッ♡ 即レスはやめれぇええぇ あんっ ハァハァ… …すぅー はぁー …? うそうそぉぉ…みてないの…? アタシのコト? もっと、よくみてください… その…、私の増田を… もっと、かまってください あたしだけを、みて♡ ああ… もう、我慢できなぁい/// どうにかなっちゃいいそう 早く、あなたのブクマがほひぃのぉ♡ もう、書き込みたくて我慢できないのぉ/// セルクマじゃ、もう満足できないのぉ はぁあっん♡ おかしいでしょ! こんなのぉ〜 こんな煽りが通用すると思ってんのぉぉ!? フニャああッ!? あたし、どうにかなっちゃいそうっ!!! だ

    はぁぁんッ♡だっ、ダメですよぉぉ〜っ… っこ、こんな人前でぇっ!
  • Iさんについて

    職場で知り合ったIさんという女性の話。 うちの職場は繁忙期にデータ入力の短期アルバイトを雇っている。期間は3ヶ月で、毎年5人位が採用される。短期雇用なので学生が多いのだが、Iさんはその中のひとりだった。 Iさんは母親が日人で、父親はスロバキア人。両親がすぐに離婚してしまったので、父親に関する記憶はまったく無いらしい。 Iさんは18才までスロバキアで過ごし、日の大学に通うために都内に移住してきた。東京に住み始めて、今年で4年目を迎えた。 最初にIさんがオフィスに現れた時、僕ら社員の間で軽いどよめきが起こった。Iさんがめちゃくちゃ美人だったからだ。その場から完全に浮きまくっていた。ギャグ漫画の中に、一人だけ画風の違う美少女が混ざっているようだった。しかもIさんはただの美人ではなかった。かなり個性的なキャラだったのだ。 Iさんはかなり独特な日語を話す。最初に聞いた時は、シュールな現代詩みた

    Iさんについて
  • なんか結婚できた

    今年の2月に結婚したのだが、そこに至るまでの経緯がかなり変わっているので、ちょっと文章に残しておこうと思う。 彼女と最初に会ったのは13年前なのだが、最近までほとんどまともに会話したことがなかった。 最初に会ったのは留学先のトロントだった。バイトしていた和レストランで、数回だけ彼女とシフトが重なった。その店は日人の留学生を積極的に雇っていた。 彼女は僕より先に帰国した。連絡先を交換することもなく、軽く挨拶だけして別れた。特に仲良くなったわけでもなかった。 数年後、彼女はマッサージ嬢になっていた。いわゆるグレーな店ってやつだ。僕はサラリーマンになっていた。会社帰りに先輩と酒を飲んで、酔った勢いで入った店に彼女がいたのだ。体のラインがくっきり見える白いワンピースを着ていた。スカートはパンツが見えるぐらい短くて、とんでもなくエロかった。お互いに顔を見合わせて、アッという顔をしたが、それ以上は

    なんか結婚できた
  • 家族の思い出

    風呂掃除をしていてうっかりゾーンに入った。 タイルの目地を狂ったようにタワシで磨く行為を1時間程続けていたのだ。汗が眼に入った。脇から流れた汗がTシャツを通って腰に伝った。今日はよく晴れていて、風呂の窓からは蝉の声がシャーシャー聴こえてきた。頭の位置を変えたら酷い立ちくらみがして、大きく長い息を吐いた。 普段まったく家事をしない。必要に迫られないとしない。そして「必要に迫られている」と感じるのが人よりだいぶ遅いようで、自分でも呆れる位、家事をしない。 今日、年に何度か訪れるこのうっかりゾーンの最中、あることを思い出した。 以前、同居人がいた。2年と少しくらい一緒に暮らしていた。 同居人は家事全般、とりわけ料理が得意だった。事情があって一緒に暮らしはじめ、事情があって家事はあまり分担せず同居人が一手に引き受けていた。家事が好きだから、好きな方がやればいいじゃない、と同居人はよく言った。色んな

    家族の思い出
  • 夜明け前だけ生きている感じがする

    東の空がうっすら明るくなって、 コンビニまでご飯を買いに行く。 その間に誰ともすれ違わず、 自動販売機の押しボタンの明かりが、 強くなったり、弱くなったり、ほのかに揺れている。 新聞配達のバイクが小刻みにブルルンと言うのが遠くに聞こえて、 自分以外の人間が、そこにいることがわかる。 当はこれくらいが丁度いいと思うんです。 明るくなると、箱の中から人がどんどん溢れ出て、 足で歩いたり、顔で喋ったり、脳で考えたりするから、 たまらず私は、家に帰って、次の夜明けを祈ります。

    夜明け前だけ生きている感じがする
  • 黒ギャル

    https://anond.hatelabo.jp/20170624093754 ・黒ギャルはオタクをゴミだと思っている まあたしかにあまり相性はよくないかもしれない。 俺はオタクだし、黒ギャルの友達はひとりもいない。 でも黒ギャルに関する思い出ならいくつかある。 Ⅰ 幼稚園児の頃。横浜のデパートで両親とはぐれて迷子になった時、黒ギャルに助けてもらった。 黒ギャルは泣いてる俺の手を引いて、お客様案内所まで連れて行ってくれた。 両親が迎えに来るまでの間、黒ギャルが俺の隣に座って一緒に待ってくれた。 黒ギャルは俺にノートとペンを貸してくれた。俺はそれに絵を描いた。 黒ギャルがその絵をやたらと褒めるもんだから、俺はうれしくなって、すっかり泣き止んで、得意気に絵の解説をした。 別れ際に黒ギャルが俺の頭を撫でた。とてもいい香りがしたのをはっきりおぼえてる。ココナッツオイルの匂いだったのかな。 Ⅱ 浪

    黒ギャル
  • 透明人間

    もし透明人間になれたら何がしたいかな。 俺はやっぱり銭湯に行くだろうな。 ちょうどうちの近所に銭湯があるし。 たしか歩いて五分ぐらいの場所だったはず。よし、行ってみよう。せっかく透明人間になれたんだし。 で、喜び勇んで銭湯に行くんだけど、シャッターが閉まって貼り紙がしてある。どうやら潰れてしまったらしい。 参ったな。せっかく透明人間になれたのに。 でも俺はまだ諦めない。たしか隣の駅にも銭湯があったはず。Googleマップで調べてみる。うん、たしかにある。俺は電車に乗って隣の駅で降りて、すぐにまた銭湯に向かった。 あった!でもシャッターが閉まってる。また貼り紙。 『浴槽のメンテナンスで日はお休み』 ちくしょう、こうなったら意地だ。俺はまたGoogleマップを調べる。隣の駅にもその隣の駅にもそのまた隣の駅にも銭湯はある。でも行ってみたら、すべて閉店になっていた。 足がくたくたになってしまった

    透明人間