他人のさい帯血を使った再生医療が無届けで行われていた事件で、京都市の医療法人「愛幸会」実質運営者・坪秀祐(しゅうすけ)容疑者(60)らが逮捕前の捜索で警察に押収され、引き続き保管を命じられていたさい帯血を無断で患者に投与していたことがわかった。 愛媛、京都、高知、茨城4府県警の合同捜査本部は押収品の横領容疑でも調べている。 捜査関係者によると、捜査本部は、別の医師法違反事件をきっかけにさい帯血の無届け投与容疑を把握。昨年11月、愛幸会や、茨城県つくば市のさい帯血販売会社「ビー・ビー」などを捜索し、ビー社の複数のさい帯血を押収した。 ただ、さい帯血は凍結保存しなければ劣化するため、1本ごとに番号を記した上で、液体窒素で内部がマイナス196度に保たれたビー社の専用タンクで引き続き管理させていた。