≪全文≫ ●ナノマシンで「ミクロの決死圏」を現実化する ここまでご紹介した研究結果を踏まえて、将来はこういうことができるといいなと考えています。小惑星探査機の「はやぶさ」をご存じだと思いますが、これのすごいところは、小惑星まで行って着陸するだけではなく、そこから情報を採取して戻ってきたことです。同じようなことが体の中でできたらいいなと思っています。 体内を自律巡回するナノマシンが病気の場所に行き、診断・治療をし、疾患情報を採取して、体の中に埋め込んだチップで情報を検出して外部に発信する。これができると、本当の意味の究極の先制医療ができるので、全ての医療機能が人体内に集約化されます。体内病院が出来上がります。SFの世界だった「ミクロの決死圏」が、現実になるわけです。 ついでにいうと、「ミクロの決死圏」には元ネタがあります。それは「38度線上の怪物」という手塚治虫が作つくった漫画です。ほとんど