『天気の子』40点(100点満点中) 監督:新海誠 声の出演:醍醐虎汰朗 森七菜 ≪元に戻った≫ 『君の名は。』は250億円という空前のヒットを記録したアニメ映画で、新海誠という、それまであまり知られていなかったアニメ作家の名前を一躍スターダムに押し上げた。 芸術性という意味でも、商業的な意味でも宮﨑駿やスタジオジブリの後継者を探していた東宝の関係者にとっては、まさに最高の"メジャーデビュー"だったといえるだろう。 その新作ともなれば、もう成功は約束されたようなものだ。 だが私のように、一抹の不安を感じていた人も少なくなかったろう。むろん、客は入る。それは間違いない。だが一方で映画は、製作期間や予算がしっかりつけば傑作ができるというものでもない。普段からそれを痛感する者にとっては『天気の子』は「やっぱりな……」と不安が的中した形になる。 高校1年生の帆高(声:醍醐虎汰朗)は、離島から東京へ