人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使った臨床研究をしたと虚偽の発表をした森口尚史氏に関し、英科学誌ネイチャーの出版元は10日までに、森口氏がオンライン誌「サイエンティフィック・リポーツ」で発表した2本の論文を撤回した。「著者が内容の正確性を保証できず、撤回を希望した」としている。 撤回はいずれも9日付で、肝臓がん細胞の性質を化学物質で変える手法についての2月の論文と、卵巣の凍結保存に関する7月の論文。「東大などの倫理委員会の承認を得た」との記載もあったが事実ではなかった。現実への不満が生んだ森口氏の「世界初」