ぼくは1980年代の終わり頃に共産主義者になったので、すでにそのころにはスターリンやソ連に対する憧れというものはほとんどなかった。*1 スターリンとは「共産主義の大義を貶めた極悪人」であるから、ほとんど近づきもしなかったのだ。 この点は毛沢東とは違った事情がある。 藤子不二雄Aが『毛沢東伝』を描いて毛沢東を「英雄」として扱っていたり、本多勝一がかなりの毛沢東や「文革」を肯定的に描いていたり、『銀河英雄伝説』登場人物(ヤンやハイネセン)の下敷きの一人が毛沢東であったり、コミュニストではない知識人に、毛沢東ファンが多い。 しかし、スターリンファンというのはあまり聞かない。「共産趣味」「ソ連趣味」として「スターリン好き」という人々を最近になってネットで見るようになったが、まあアレだ。「愛国戦隊大日本」を一生懸命つくってしまうメンタリティと同じであろう。 したがって、コミュニストになってから読んだ
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