モルドバがロシアに狙われている ロシアの周縁はどこも紛争含みだ。ウクライナを筆頭に、アルメニアとアゼルバイジャンの紛争、タジキスタンとキルギスの紛争等々、かつてソ連崩壊直後、米国が「不安定の弧」と呼んだ地域は、いまだに時々火を噴きあげる。 一つにはソ連の崩壊で、地元の利権の奪い合い、隣国との係争が激化・表面化したこと。もう一つはロシアが国力復活を背景に自己主張を強化、NATOの拡大を抑えることを大義名分に、西側との間に「緩衝地帯」を再構築しようとしていることがある。 後者はウクライナ戦争、そしてそれに乗じてのベラルーシへのロシア軍駐留となって表れている。 そして今もう一つ、「モルドバがロシアに狙われている」という声が聞かれるようになった。モルドバは人口約400万人、GDPは約120億ドルの小国なのだが、それでもここを手に入れればウクライナを挟み撃ちにできる。NATOが東にせり出してくる(モ