ヨコヅナクマムシにはオスがいないようだ。メスは交尾をせずに自分自身で卵をつくって産む。オニクマムシと同じである。ただし、オニクマムシとは異なり、ヨコヅナクマムシは産卵のときに脱皮をしない。卵は、脱皮の殻の中で保護されることなく、外に放り出される。 ヨコヅナクマムシの卵の表面には細い毛のような突起物がある。野外では、この突起物がコケにからまりつくはずだ。降雨により水流が起きても、彼女らの住処であるコケから卵が外に流れにくくなるのだろう。 飼育培地を観察すると、多数のヨコヅナクマムシが1カ所に集まっている光景がしばしば見られる。クマムシどうしが集合する行動は、ヨコヅナクマムシ以外の種類では見たことがない。彼女らは集合フェロモンのような物質を放出しているのかもしれない。 ヨコヅナクマムシが女子会を開いている場所には、決まって多くの卵が産み落とされている。そして、飼育培地に1匹だけ入れて飼育をした
![第36回 女子会好きなヨコヅナ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/d140b5928ba760e17446ff6ea5840f668abcf26a/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnatgeo.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Fweb%2F15%2F390018%2F100600013%2Fph_thumb.jpg)