「見える化」はトヨタ自動車で発祥したとされる言葉で、製造現場など“組織”の見えないものを見えるようにし、創造性や生産効率を引き上げる手法を指す。実は、この手法はビジネスパーソン“個人”の知的生産レベルの向上にも役立つ。個人の「見える化」に役立つ考え方やツールを紹介する。 「見える化」は成長の第一歩 日本能率協会コンサルティング シニア・コンサルタントの佐藤滋さんは、大手自動車会社や電機会社などの開発部門で「見える化」の指導をしている。見える化とは、業務に関する多岐にわたる情報や問題点を、文字通り可視化する技術である。 例えば、トヨタ自動車の工場では、生産ラインに問題が生じると、担当者は「アンドン」と呼ばれるランプのヒモを引き点灯させる。工場のどこからでも、どのラインで問題が発生したかが一目瞭然になっている。 情報や問題点がハッキリととらえられなければ、職場のメンバー全員で問題解決に取り組み