亀田興の3階級制覇のうち2階級は正規王者からのタイトル奪取ではなく、王座決定戦によるものだ。その上、今回の対戦相手は一時引退していた31歳のベテラン。記録ありきの手法にボクシング業界内では冷ややかな声が多い。 ある有力ジム会長は「最初に交渉していたのがムニョス以上に衰えがひどいロレンソ・パーラ(ベネズエラ)。こんなやり方ばかりで興毅は嫌にならないのか」と痛烈に批判した。若手のジム会長も「同じ1階級飛び越しての複数階級制覇でも、無敗の強豪と対戦した長谷川穂積(真正)と同列に評価できない。業界の9割が批判的に見ているはず」と首をひねる。 5度目の挑戦で世界フライ級王者になった苦労人の花形進・花形ジム会長は「一つ取るのだって大変なのだから、3階級はすごい」と言いつつも「昔と今は違うなあ。どんな形であれ、残るのは結果だからね」と複雑な心境をのぞかせた。