現在1億2800万人の日本の人口は、50年後の2060年に8674万人へと32・3%減る。経済を支える15~64歳の生産年齢人口に至っては46%も少なくなる。社会保障・人口問題研究所による日本の将来人口推計(中位推計)である。少子高齢化は一層、進行して、65歳以上の高齢者の比率は60年には40%近くになる。 ≪6年連続上昇に光明見える≫ 先進国中心の経済協力開発機構(OECD)諸国で1999年以降、生産年齢人口、つまり労働人口が減少してきたのは日本だけである。その傾向が今後一層、続くというわけだ。長年の出生率低下に伴う労働人口の増加から減少への転換は、日本経済停滞の主因の一つである。推計通りになれば、それは経済を超え、日本民族の浮沈にかかわる問題となる。 こうした深刻な事態を招いたのは、1970年代半ばから合計特殊出生率が低下趨勢(すうせい)となってきたためだ。合計特殊出生率(以下、出生率