混迷を極めていたイタリア大統領選挙は、現職のナポリターノ大統領を、国が崩壊してもおかしくない土壇場で再選して終了した。全1007票のうち、自派の候補に固執した五つ星運動系を除く票の大半を獲得し、心情的にはほぼ全会一致の再選、と形容しても良い圧倒的な勝利だった。 4月18日に始まった大統領選挙は、議会2大勢力である中道左派と中道右派の確執、一転しての協力合意、そして裏切り、とドラマチックに展開した。そこには左派の中核である民主党の内部分裂が深く関わっていて、求心力を失った同党のベルサーニ書記長は、大統領選挙後に辞任すると表明。 民主党の内紛のあおりを食って大統領選挙は完全に暗礁に乗り上げた。もはやどうにもならないと国中が絶望感に陥った時、なんと辞任を表明したベルサーニ民主党書記長、その天敵のベルルスコーニ前首相、さらに辞任が決まっているモンティ首相の3人が、個別にナポリターノ大統領を訪ねて続