「10年後の日本のため、LNG(液化天然ガス)を最も安く調達せよ」。 この任務を課せられた9つのチームが一斉に議論を始めた。時は桜の開花を待つ3月、場所は都内にあるオフィスビル。9チームのメンバーは中学2年から高校3年までの学生。1チームが4、5名、総勢43名の中高生がLNG調達のポートフォリオを組んでいく。 「カタールから買えば確かに安いが地域の情勢が危ない。だからアメリカを保険で入れました」 「トランプ大統領が国内の雇用を増やすため天然ガスやパイプラインを建設するはず」 「ここはUQT付きで調達しておくしかない」 激論のさなか、普段聞きなれない専門用語が飛び交う。UQTとは“Upward Quantity Tolerance”の略。「必要に応じて契約と同一価格で一定量を買い増せる」というオプションを指す。 ほんの数十分前にUQTの説明を初めて受けた中高生たちは真剣な表情でLNG調達の計
[W杯座談会 前編]西部謙司×河治良幸×浅野賀一 ハリルホジッチ解任の是々非々と彼のサッカーの是々非々は分けて考えるべきだろう。それらが混在した状況で議論してもまったく噛み合わないことになる。前者の議論はひとまず出尽くした感もあるので、ここではベルギー遠征の最中に「彼のサッカー」について議論した月刊フットボリスタ第56号掲載の座談会を特別公開する。ザッケローニが直面した「対世界」の本質的な課題は何なのか、そしてハリルホジッチは何を捨てて何を得ようとしていたのか? 『自分たちのサッカー』で狂った準備 浅野「ハリルホジッチ監督の評価が難しい状況になっていて、肯定派と否定派の間で議論が噛み合わない状況になっています。そもそも今の日本代表の評価が難しいのは、ザッケローニ体制で臨んだ4年前のW杯で何が駄目だったのかを総括し切れていないのもあると思います。『自分たちのサッカー信仰』と揶揄されたこともあ
日本郵政グループが、正社員のうち約5千人の住居手当を今年10月に廃止することがわかった。この手当は正社員にだけ支給されていて、非正社員との待遇格差が縮まることになる。「同一労働同一賃金」を目指す動きは広がりつつあるが、正社員の待遇を下げて格差の是正を図るのは異例だ。 同グループは日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の4社でつくる。廃止対象は、原則として転居を伴う転勤のない条件の正社員(約2万人)のうち、住居手当を受け取っている約5千人。毎月の支給額は借家で最大2万7千円、持ち家は購入から5年間に限り6200~7200円で、廃止で年間最大32万4千円の減収になる。 廃止のきっかけは、民間の単一労組で国内最大となる日本郵政グループ労働組合(JP労組、組合員数約24万人)の今春闘での要求だ。同グループの社員の半分ほどは非正社員。非正社員の待遇改善を図る同一労働同一賃金の機運が高まって
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