「麻生(太郎)副総裁からは『党全体は勝ったのだから辞めるべきではない』と慰留されたんです。しかし、これ(辞任)は政治家としての私の矜持(きょうじ)です」 11月5日、朝懇の会場から出てきた甘利氏。本誌記者が直撃しても、けっして目を合わせようとしなかった 撮影:等々力純生 11月5日、東京・永田町にあるホテルの宴会場でそう語ったのは、自民党の前幹事長・甘利明氏(72)。甘利氏が10月31日の衆院選で、小選挙区で落選したのはご存じの通りだ。全国紙記者が語る。 「幹事長といえば『選挙の総責任者』であり、選挙期間中は自分の選挙はそっちのけで全国の選挙区に応援に回る立場です。現役幹事長の落選は’96年に小選挙区制が導入されて以降、初めての事態です」 甘利氏は比例区では復活したものの、この”惨敗”を受け、11月4日に幹事長を退任。本誌は10月1日に幹事長に就任した甘利氏が、お祝いに送られた胡蝶蘭を、他
インターネットの「情報」から「世論」が生まれる。その情報や世論が、もし、何者かに操作されていたら…? そんなディストピアを思わせる「事件」が起きている 匿名での無責任な書き込み、誹謗中傷が止まらない。皇族の結婚に関する騒ぎや、それが元で心を病んでしまった眞子さまの例も記憶に生々しい。 「中の人」を特定、名誉毀損で訴える そんななか、立憲民主党の小西洋之参議院議員が、自身を攻撃するツイッターの書き込みに対し、名誉毀損の裁判を起こした。 「昨年来のツイッターでの書き込みに対して、訴え出たのは一昨日です。なぜ時間がかかったかというと、発信が匿名アカウントだったから。訴える相手を特定するのに、まずプロバイダーに対して『発信者情報開示請求』が必要だったんです。先月、それがやっと認められ、相手方が判明しました」(小西議員) 「Dappi(@dappi2019)」と名乗るそのアカウントの持ち主は、個人で
2020年9月、自民党新総裁に就任した菅義偉に、なぜか笑顔はなかった。安倍晋三は体調不良で退任、12月には国会で「桜問題」を謝罪したが、疑惑の解明がないまま、わずか8ヶ月でまさかの「再々登板」に意欲をみせる 写真:代表撮影/ロイター/アフロ 内閣支持率がだだ下がるなか「安倍晋三再々登板か」という声が聞こえ始めた。数々の疑惑を放り出して体調不良を理由に辞任した前首相がなぜ…? この、まさかの「安倍待望論」の出所を探ってみると、じつはすべてが「安倍自身の仕掛け」だった。わざわざテレビに出演して菅首相を支持してはいる。が、よく聞くと、憲法改正に言及しないうえ、あっけなく「赤木ファイル」の存在を認めた菅を、安倍氏は相当不満に思っているようだ。 菅首相の足らざるを指摘するように、「半導体議連」最高顧問、「原発リプレース議連」顧問などに就任し、ますます政治活動を活発化させているのは、菅首相に対する「こ
<日本維新の会所属の衆議院議員で「京都維新の会」代表をつとめる森夏枝議員が、統一地方選挙を約2か月後に控えた2019年2月、森議員と同じ党に所属する京都府議会議員・上倉淑敬議員を誹謗中傷する内容の文書を作成したことを認めて、上倉議員や他の党員に対して謝罪していたことがわかった。 現役の国会議員が同じ党の議員を中傷するという異常事態。いったい何があったのか――その舞台裏を追った。> 「作ったのは私です」 「2年前、上倉議員のご家族のことが書かれた記事を切り貼りして『文書』を作ったのは私です。何を言っても言い訳になってしまうのですが、今思い返しても、やっていいことと悪いことの判断がつかない精神状態だったと思います。 当時、(京都維新の会代表の)私のもとにたくさんの苦情のようなものが届いていたり、党勢拡大についても京都の議員と党本部の間で考え方に相違があり、(板挟みにあって)精神的に追い詰められ
「自分の言葉で語れない」理由とは? 『ご飯論法』でお馴染みの上西充子教授に聞いてみた 新型コロナウイルス感染症が拡大する中、多くの批判を浴びつつ「アベノマスク」が配布されたり、「ステイホーム」を要請する一方で「GoToトラベル」を推し進めたり。これまで経験のない事態とはいえ、「日本のコロナ対応はなぜ諸外国に比べて後手後手なんだろう」と不思議に思っている人は多いはず。 逆に言うと、今くらい政治を誰もが、自分の実生活に身近なものと感じたときもないだろう。 しかし、今何が起こっているかを知るべく、国会中継を見ると、あらゆる質疑に対して「答えは控える」「指摘は当たらない」「答える立場にない」「記憶にない」のオンパレード。 『政治と報道 報道不信の根源』(扶桑社新書)の著者で、政治家や官僚の論点ずらしのまわりくどい答弁を「ご飯論法」で表現した上西充子法政大学教授に話を聞いた。 2018年の新語・流行
街中に張り巡らされた「監視」の網。監視カメラはもちろんのこと、通信、生活の全てが見張られていると言っても過言ではない 写真:ロイター/アフロ 「放送内容が真実かつ公平でなく、中国の国益に損害を与えた」という理由で、2月12日、中国は、英BBC国際放送の中国国内での放送を禁止した。 これはひとつには、2月4日にイギリスが、中国共産党による統制の構造などを理由に中国国営テレビ「中国環球電視台(CGTN)」のイギリス国内での放送免許を取り消したことへの対抗であろう。 だがそれと同時に、前述のようにBBCの報道内容を問題にしており、同局が「中国にとって都合が悪い内容」を放送をすることを避ける意味が大きい。 中国がとくに反発していること 中国側がとくに反発していたのが、2月3日に放送されたウイグル人迫害のニュースだった。それは、強制収容所内で「女性に対して組織的なレイプが行われている」という内容だっ
海外から来た少年野球チームに打撃フォームを披露する平尾コーチ。指導の熱心さには定評があった。13年3月撮影(画像:共同通信社) 「まさか、あんなに慕われていた人が……」 西武の球団関係者は一様に驚いている。10月31日付けで二軍打撃コーチを契約解除された、平尾博嗣氏(44、コーチ登録名は「平尾博司」)のことだ。解雇理由は、二軍選手2人の私物を盗んだというもの。10月16日に一人の選手が盗難被害を申し出、球団が調査などをしたところ、平尾コーチの犯行が判明した。本人も事実を認めている。 「事件を起こすような人物ではないので、球団職員はいまだに信じられないと思います。忙しい時など、事務所に差し入れをするなど気遣いができ礼儀正しい。今年4月に佐藤龍世と相内誠両選手がスピード違反で無期限の出場禁止になった時は『野球で信頼を取り戻せ』と諭すなど、チームメイトにも厳しく接し、首脳陣からの信頼も厚かったん
発売から30年 睡眠導入剤「デパス」に深刻な副作用が次々と依存症も認められ、コカインやヘロインと同じカテゴリーに 厚労省が精神障害を認めた 「地下鉄で現場に向かっていたんだけど、服が汚れたのでキャンセルします」 都内の芸能事務所に所属する癒やし系タレント(21)がここ最近、耳を疑うような理由で仕事をドタキャンするようになった。それだけではない。 ヘアメイクをしてもらっている間にヨダレを垂らして寝てしまったり、突然、「こんな仕事やってられねえよ!」と怒鳴り声をあげたり、明らかに自分をコントロールできなくなっているのだ。 これでは仕事にならない。担当マネージャーが問い詰めると、豹変の裏にクスリの存在があることがわかった。 「睡眠導入剤の『デパス』です。もう数年にわたって服用していたらしいのですが、効きが悪くなったとかで、ここ最近は飲む量を増やしていたそうです……」 デパスに代表されるベンゾジア
はんどう・かずとし/昭和5(1930)年生まれ。東大文学部を卒業後、文藝春秋入社。専務取締役を経て文筆業に。『日本のいちばん長い日』は終戦の日を描いたベストセラーとなり、映画化もされている。『ノモンハンの夏』『昭和史』『文士の遺言』など著書多数 「昨年、当時の天皇陛下の侍従から、『秋篠宮悠仁(ひさひと)殿下に、太平洋戦争はなぜ起こったのかを、わかりやすく話してください』という依頼があった。ですが、私は最初断ったんです。だって相手は小学校6年生の坊やですよ。そんな幼い子に単純明快に話せるようなことじゃない、無理です、と。だけど何度もお願いされて、じゃあさわりだけでも話しましょう、と出かけていったのが、8月15日でした」 秋篠宮悠仁親王は、まさに次代の天皇家を背負って立つ。その進講役として白羽の矢が立ったのが、昭和史研究家でもある作家・半藤一利氏(89)だ。秋篠宮家の”家庭教師”になったのが「
女子マラソンの元日本代表選手だった原裕美子被告(36)が、万引きにより「2度め」の裁判を受けている。「1度め」の公判は昨年11月、宇都宮地裁足利支部で開かれた。これは同年7月、栃木県足利市のコンビニで飲料水や化粧品など8点、約2700円相当を万引きしたという窃盗の事案である。同日に言い渡された判決は懲役1年、執行猶予3年。そのわずか3ヵ月後、今度は群馬県太田市のスーパーでキャンディ1袋など3点、販売価格計382円を万引きして再び逮捕起訴された。10月29日に前橋地裁太田支部で開かれた「2度め」の公判で、検察官は原被告に懲役1年を求刑した。 この原被告の2度の裁判で注目を浴びたのは、原被告が摂食障害に長年苦しんできたこと、そして、その摂食障害と“万引きがやめられない病(クレプトマニア )”との関係性だ。原被告は太田市での逮捕後、入院治療に取り組み、退院後の現在は関連施設に住みながら仕事を始め
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