女性に寄り添い、文字通り“裸の付き合い”をしてきたアダルトビデオ監督・二村ヒトシほど、女性の本音を知る者はいない。“男でありながら女性の代弁者”という稀有な存在が辿りついたのは、「男も女も微塵も差がない」ということだった。 かつて社会は「男の社会」と「女の社会」という2つの均衡した世界だったが、今は女性の社会進出により「男女の社会」と「女の社会」に変わった、と二村ヒトシは語る――。 アダルトビデオ監督という肩書きを持ちながら、ジェンダー論を展開してきた二村が、各界のキーパーソンを訪ね、現代の男たちが抱える生きづらさの正体を探っていく。 ●●● 前回の対談では、現代の男のカッコ良さの基準は昭和時代と変わっていない、そして当時の男たちに比べ、現代人の怒りはより短絡的で、「生きづらさ」の原因にもなっているのではないかと議論が深まった。 精神科医・名越康文との対談第2回目となる今回は、「男らしさ」