胎盤通じ赤ちゃんに 結婚から3年目のことだった。 不妊治療を試みた後、念願の子どもを自然妊娠した東京都の女性(36)は2011年1月、病院で妊婦健診を受けていた。 妊娠31週目。これまで「まったく問題ない」と言われていたのに、この日は、赤ちゃんの状態を調べる超音波検査の時間が長く感じた。医師はずっと無言で、難しい表情をしていた。 終わると、医師から「赤ちゃんの頭の脳室という部分が、大きくなっています」と告げられた。1週間後の再検査でも、結果は同じだった。「このまま行ってください」と、日大板橋病院(東京都板橋区)への紹介状を手渡された。 タクシーで行き先を伝えたとたん、不安で涙があふれた。乗車中、おなかの子がおなかをけってきた。「こんなに元気なのに。この子は本当に病気なの」 病院の産婦人科を訪ねると、また超音波検査が始まった。外来の医師のほか、2人の医師がモニター画面を見つめながら小声で話し