人がよりよい教育を求める、あるいは子供によりよい教育を与えたいと考える理由の1つに、教育によってよりよい職を得たい、与えたいというものがある。教育によって能力を高めることで、より収入が高く、より楽で、より社会的地位の高い職業を得ることを期待するわけだ。 ところが、現実にはそううまくいかないケースがけっこうよくあるように思う。 身近でよく聞くのは、いわゆるポスドク、つまり博士号を取得した後、専任の職に就くまでの間、大学などに籍を置いて研究を続ける研究者の話だ。去年だったか、2004年度時点でポスドクが12,500人に達した、という文部科学省の調査結果が報道されていた。2003年度は約10,200人で、1年間で約2,300人増と。しかも、うち約8%が40歳以上。私自身はこの立場になったことはないが、たいへんだという話はよく耳にする。声高に主張されないことこそが深刻さの証明であるとも。 大学院進