「人の名前が思い出せない」「何を探しているのか忘れてしまった」――。こういった物忘れの経験は、誰にもあることだろう。 そんなとき心配になるのは、その物忘れが“痴ほう”(認知障害)の初期症状ではないかということ。そこで、簡単なチェックによって、あなたの物忘れが加齢による自然なものなのか、それとも病的な原因によるものなのかを調べてみよう。下のチェック表をまず試してもらいたい。 チェック表で、「正常な範囲の物忘れ」と診断された人は、加齢にともなう自然な記憶力の低下といっていいだろう。実は、自分で物忘れを心配している人は、まず9割がた大丈夫といっていい。 問題なのは、物忘れしたこと自体を忘れてしまう人なのだ。こうなると、会った人の名前が出てこないどころではなく、その人に会ったことすら忘れてしまう。できごと自体を忘れてしまうため、自分が病気であるという自覚がないのが厄介だ。そういった病的な物忘