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【法廷から】 銀行員として定年まで堅実に勤め上げた男は、30年間自宅に引きこもっていた息子の頭や顔に何度も金属バットを振り下ろした。真面目な男がなぜこれほど残虐な犯行に及んだのか。秋田市で長男=当時(50)=を金属バットで殴り殺した父親で無職、田口脩吉被告(79)の口からは、仕事に邁進し、定年を迎えた男の寂漠たる光景が綴られた。(原圭介) ■動かなくなった息子の顔を洗面器に 事件は昨年11月12日午後6時ごろ、発生した。自宅で夕食を食べている長男の背後から父親が金属バットで襲いかかり、執拗に頭部や顔を殴って、外傷性ショックで死亡させた。凄惨きわまりない殺人だった。 秋田地裁(馬場純夫裁判長)で開かれた裁判員裁判。 被告人質問で、検察官は田口被告の残虐性を浮かび上がらせようとした。 検察官「途中で長男にバットを取り上げられ、投げられた。しかも長男は反撃もしなかった。なぜ殴るのを止
東日本大震災の発生から18日で1週間。東京電力福島第1原子力発電所の放射能漏洩事故に対する政府の対応は後手に回り、菅直人首相は与野党双方から「無策」と批判された。首相が自らの「勘」を信じ、押し通していれば、放射能漏れの危機を回避できた可能性もあったが、またも政治主導を取り違え、有効な施策をなお打ち出せないまま現在に至った。(今堀守通) 意外な自信 「外国籍の方とは全く承知していなかった…」 大地震が発生した11日、首相は参院決算委員会で野党の激しい攻撃にさらされていた。前原誠司前外相に続いて政治資金規正法が禁じる外国人からの献金が発覚し、退陣の一歩手前に追い詰められた。 ところが、この日午後2時46分の地震発生で一気に政治休戦となった。 決算委は急遽中断され、首相は直ちに首相官邸に戻り、危機管理センターの巨大モニターから流れるメディア映像を食い入るように見た。目にとまったのが、第1原発だっ
中央教育審議会は31日、大学院博士課程で、院生が1人の教員に師事して研究を手伝いながら指導を受ける“徒弟制度”や、特定のテーマに絞り込んだ修士論文の廃止などを盛り込む大学院教育改革策を高木義明文部科学相に答申した。 博士課程修了者が民間企業で敬遠される傾向があり、国際社会で活躍できる人材育成も不十分という批判が出ていることから、幅広い分野の研究をさせることで、企業などが求める人材育成を目指す。答申を受け、文科省は具体的な制度改革の検討に入る方針。 答申では、博士課程の院生が、1つの研究室にだけ属して1人の教員から指導を受ける現行制度からの転換を提言。複数の研究室で指導を受けながら学位を取得するように求めている。 また、5年制の博士課程の2年修了時点で、特定の研究テーマについてまとめる修士論文を原則的に廃止。代わりに幅広い分野についてテストやリポート審査を行う「クォリファイング・イグザ
天皇陛下に敬称を付けず“呼び捨て”の記述が文部科学省の教科書検定をパスし、今年4月から小学校6年生の教科書として供給・使用されることが10日わかった。巻末の用語の索引に「天皇」を盛り込まなかった教科書もあった。天皇、皇后両陛下はじめ「皇室軽視」の傾向はこれまでも教科書でみられたが、学習指導要領では「天皇への理解と敬愛の念を深める」よう求めている。専門家からは「指導要領の趣旨が教科書に十分浸透していない」との批判の声が上がる。 敬称がない表記があったのは、小6社会の教科書。文科省の検定を通過した4出版社のうち教育出版と日本文教出版、光村図書の教科書が、陛下ご自身が写った写真を説明する際に「文化勲章を授与する天皇」「インドの首相をむかえた天皇」と表記していた。 2つの教科書を出す日本文教出版は、別の教科書でも天皇、皇后両陛下の写真説明を「福祉施設を訪問される天皇と皇后」と表記。「される」と敬語
20日発売の英誌エコノミスト最新号は「未知の領域に踏み込む」と題し、高齢化の進行などを紹介する日本特集を掲載した。同誌の本格的な日本特集は2005年に掲載された「日はまた昇る」以来という。 特集では「前例のない急速な高齢化の進行と労働力人口の減少」が、日本の経済と社会に大きな影響を及ぼしていると指摘。国内総生産(GDP)では今年、中国に世界第2の座を明け渡し、50年までにはインドやブラジル、インドネシア、メキシコ、トルコにも抜かれると予測した。 かつて繁栄を誇り、数十年で急激に衰退したアルゼンチンに例えて、日本が「東のアルゼンチン」になる可能性にも言及。その上で、日本が高齢化と人口減少にどう取り組むかを世界は注視しており、生産性向上や移民の積極的受け入れなど「文化的な革命」が必要だとしている。(共同)
韓国併合(日韓併合)条約は1910年8月22日に調印され、同29日に発効した。併合100年を機に菅直人氏の首相談話が、過日発表された。往時の日韓関係についての事情を顧みることなく、謝罪自体を自己目的としているがごとき談話であった。 ≪謙虚で率直で勇気あることか≫ 「当時の韓国の人々は、その意に反して行われた植民地支配によって、国と文化を奪われ、民族の誇りを深く傷付けられました。…この植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、ここに改めて痛切な反省と心からのお詫(わ)びの気持ちを表明いたします」 ここまで踏み込んでいいのか。談話はさらにこういう。「私は、歴史に対して誠実に向き合いたいと思います。歴史の事実を直視する勇気とそれを受け止める謙虚さを持ち、自らの過ちを省みることに率直でありたいと思います」 現在の価値観をもって往時の日韓関係を眺め、“そういうことはあるべきではなかった”と考える
日本の歴史教育では、小学生段階から日清戦争を扱い、日本はこの戦争に勝って清から賠償金を取り、台湾を日本の領土にしたことを教えているが、日本が日清戦争をたたかった真の目的を教えていない。 戦争に勝った国は、講和条約の最初の条文にその国が最も欲することを書き込む。日清戦争の戦勝国である日本が日清講和条約(下関条約)の第一条に書き込んだのは、領土でも賠償金でもなく、「清国ハ朝鮮国ノ完全無欠ナル独立自主ノ国タルコトヲ確認ス」という文言だった。日本が最も求めていたのは、朝鮮国の清国からの独立だったのである。なぜか。 ◆半島に自主独立国家を期待 欧米列強の脅威にさらされていた明治の日本は、自国の安全を確保するため、朝鮮半島に自主独立の近代化された国家が成立することを強くねがった。福沢諭吉は次のように論じた。 「いま西洋が東洋に迫るそのありさまは、火事が燃え広がるのと同じである。この火事から日本という家
日韓併合100年に向けた菅直人首相談話が、10日に閣議決定される。民主党の玄葉光一郎政調会長も9日、福山哲郎官房副長官との会談で了承した。戦後50年の平成7年8月に出された村山富市首相談話を踏襲し、日本による「植民地支配と侵略」を謝罪する内容だとされる。 菅談話をめぐっては、これまで与野党から異論が続出していた。民主党国会対策委員会の笠浩史筆頭副委員長と松原仁副委員長らは「与党の政策調査会できちんと議論すべきだ」と仙谷由人官房長官に申し入れた。民主党国対でも首相談話への反対論が相次いだ。玄葉政調会長も「補償の話が蒸し返されてはならない」と慎重論を唱えていたのに残念だ。 一方、自民党の谷垣禎一総裁は「(首相談話を)出す必要があるのかどうか、大きな疑問だ」と述べた。超党派議連「創生『日本』」(会長・安倍晋三元首相)も「(首相談話は)国民や歴史に対する重大な背信で、容認できない」とする声明をまと
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