増田は独身。いい歳でパートナーも居らず、アラフィフに達しようとしているので結婚に関しては既に諦観している。 この歳になると友達付き合いもほぼなくなり、これといってお金の掛かる趣味もないのでそれなりに財産はある。 どうやら子供を設けるのは難しく、このままでは自分がこの世に生まれた証というか、意味を見出せないんじゃないか?とある夜ひとりでお酒を嗜んでいる際にふと、そんなことを思った。 これまでの自分の人生を振り替えると、他人に誇れるような趣味はSFぐらいで、学生の頃からSFを熟読してきた。文字から広がり浮かび上がるセンスオブワンダーの世界に幾度となく心が躍り、退屈で平凡な日常をいつも鮮やかに彩ってくれたのはSFの名作の数々だった。 そうだ。自分に出来るのは、この素晴らしい世界をより広めることかもしれない。酔っぱらいが半ば夢想状態で考えたことは翌日にも覚えていて、だから実行することにした。 私は
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