今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔11月30日号掲載〕 日本の秋といえば紅葉、七五三、それにボジョレ・ヌーボーだ。毎年11月になると、日本のバーやレストランに赤ワインの津波が押し寄せる。2010年に日本が輸入したボジョレは700万本。輸入量では世界トップだ。2位はアメリカの230万本。日本ではEU(欧州連合)全体を上回る量が飲まれている。 日本人がビール党であることを考えれば(消費量はビールが酒類全体の38%、ワインは3%)、これは大健闘に思える。そもそもボジョレ・ヌーボーは高級ワインですらない。ごく普通の大衆的なワインだ。輸入業者は毎年、「今年」こそ最高の出来であるかのように振る舞うが、根拠はまったくない。ポマールやピュリニー・モンラッシェやロマネ・コンティなどの最高級ワインとは比べようもない。 ワインを飲む日本人はワインに詳しく、ボジョレ・ヌーボーの質についてもちゃんと知っている
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