基礎技術解説:秘密分散法 注目の情報管理方式「しきい値秘密分散法」 岩本 琢哉 (Takuya Iwamoto) 株式会社シーフォーテクノロジー 2004/11/27 情報資産を安全に管理するための1つの手段として、データを「暗号化」するという方法があります。これには鍵を持たない(知らない)者は、暗号化されたデータにアクセスできないというメリットがありますが、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の可用性の立場から考えると、それがデメリットとなることもあります。 「もし、急に必要になったデータの管理者が休暇中だったら……」。 本稿では暗号化とリスク分散という観点から、最近注目されている情報の管理方式 「しきい値秘密分散法」 をご紹介します。 秘密分散が従来の暗号とはどう違うのかを明確にするため、先に「暗号」について簡単におさらいすることにします。暗号とは、あるデータを 当事者しか