世の中には「ブラック企業ランキング」「不人気企業ランキング」といったものが存在する。しかし、ブラック企業アナリストの新田龍氏によれば、「ブラック企業」に該当しない企業が含まれていることがあるという。内情は優良企業でさえあるのだが、その企業が属する業界や、一部の個別企業によるダーティなイメージが投影されている可能性があるためだ。新田氏がそのような企業を取り上げ、「何がブラック企業イメージの原因か」「実際はどうなのか」について、多角的に分析していく。 ブラック企業ランキング常連の業界といえば「外食産業」だ。厚労省の統計によると、大卒3年後の離職率は2009年度で48.5%。直近7年の数値を見ても、45.7~54.4%の範囲で推移している。同年度における全業界の平均値が28.8%だから、あらゆる業界の中でも極めて高い割合であることがみてとれる。 では、なぜそんなことになってしまうのか。労働環境が