「若者」の季節が終わり、「中年」の季節が始まる。そしてだんだん慣れていく。 40代前半ぐらいの頃、私は自分が若者から遠ざかり、若者ではない何かに変わっていくことに驚いていた。 変わっていく自分自身が興味深くて、気づきもたくさんあって、だから私は当時の心境を一冊の本にまとめた。 若者でなくなった喪失感がないわけではないけれども、中年は中年で得るものがあり、まんざら悪い境地でもないことが、当時の私にはすごく新鮮に感じられたものだ。 歳を取るというのは決して悪いことばかりではありません。 若さが失われるかわりに、昔はわからなかったことがわかるようになり、知識や経験が蓄積していく側面を伴っています。 中年になればこそ、できること、やりやすくなることもたくさんあります。 「歳を取りたくない」「若者のままでいたい」と考えてしまう人たちが思うほどには、未来は絶望的ではありません。 それから数年が経過して