<資本金は、バッファに過ぎない> (1)で述べたように、資本金、資産、純資産は、似たような言葉でありながら、全然意味が違います。会社が、実際に、債権者に対する債務を履行できるかどうかは、資本金の額とは全く関係がなく、債務に見合うだけの「資産」があるかどうか、言い換えれば、「純資産」が0円よりも大きいかどうかということが重要なのです。 では、資本金というのは、何のための制度なのでしょうか。 資本金は、株主が過去に出資した額をラインとして、配当したら、純資産がそのラインよりも下回るような場合には、その配当を禁止するための制度です。 例えば、株主が1000万円出資したのならば、原則1000万円というラインを引きます(=資本金)。そして、純資産が1000万円を超えるまでは、株主に配当することができないし、純資産が1100万円に増えたら、100万円だけは配当できるようにする。そういう制度が資本金の制