「こんばんは」 ドレスを数着、手に抱えた若い女性が毎夜、キャバクラ店への営業活動に駆け回っていた。最初は門前払いを食らっていたアポなし営業も、相手にしてくれる店が現れ始めたのだ。「Sugar」のオーナー清水彩子さんのこうした地道な営業活動は、確実に人の目に留まるようになっていった。 「ドレスをいっしょに持っていったことで、女の子(キャバクラ嬢)が興味を示してくれたりしたので、話を聞いてくれるお店も少しずつ増えていきましたね」 また、営業活動と並行して力を入れたのがフリーペーパーへの掲載。足を使った地道な営業と媒体の相乗効果で瞬く間に、新潟市内の繁華街で、Sugarと清水さんの存在は知れ渡るようになった。そして、もうひとつ手を打った。 新潟市の歓楽街にはヘアセットの場所がなかったのだという。夜の街の必須スポットなのに、なぜないのだろうか。「夜のお店で働く女の子たちにとって、自分たちの働く街が